まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど

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# by manshukitsuko | 2013-04-29 19:48 | 告知 | Trackback

プラネタリウム

そんなこんなで、漫画家アシ、キャバ嬢、OL、などの職業を経てきた私であるが、

まだこちらで一度も触れてないものがあった。






プラネタリウムのお姉さんである。



のんびりした職場で、定年退職した学校の先生や
市役所の職員で構成されていた。



近所のじいさん、ばあさんが遊びに来ると、

仕事を中断してみんなでお茶といった具合に、

穏やかな環境で、何だかんだで、一番長く働いた職場だった。






私はここで、人生においてかなり重要なスキルのうちのひとつであろう、


世間話スキルを手にいれた。








今日は私の平穏なプラネタリウム時代、
唯一起こった事件について話そうと思う。



2001年のしし座流星群は、母彗星のテンペル何とかが云々するとかで、

流れ星の大出現が予想されていた。



テレビでも特集が組まれたり、ちょっとしたプチ天文ブームになったので、

当日の夜は、多くの人が流星群を観測した。


流れ星が流れるたびに
「おおーーー」とか「わーーー」と、近隣の家から歓声があがる中、




私は、別のモノに目を奪われていた。




なぜなら



本来ないハズの場所に星があったからだ。


惑星でもない、飛行機でもない、一等星程の明るさの何かが、

まるで星に擬態するように、上空でじっと静止していたのだ。



その、怪しい光はまるでこちら側を観察するように長い事空中にとどまっていたが、

数時間経つ頃には消えていた。






翌日、プラネタリウムに出勤すると、

「〇時頃の火球は大きかった」とか「明け方まで観測した」とか
昨日の流星群について皆で感想を言いあったが





職員のMさんが、突然

シリウスの右下あたりに、1等星程の星があったけれど、
あんなところに星はないハズだ、と言いだした。





すると

私以外の職員も、星に擬態する「何か」を目撃していたのだった。




「流星群の観光にやってきた宇宙人だろう」という冗談でみんな笑ったが




わたしは、それ以来、「宇宙人は存在するかもしれない」という
思いを抱くようになった。










それから数年後



キャバクラでアルバイトしていた時に、Tさんというお客さんがいた。

Tさん(当時52歳)は某航空会社のベテランパイロットだった。



パイロットの多くがUFOを目撃している、
という噂話を耳にしたことがあった私は



とTさんに尋ねてみた






すると




それまで、どのような話題もノリノリで応じてくれたTさんが、
UFOの話題になった途端、不自然に口を閉ざしたのだ。









何かを隠している

そう確信した私は






Tさんがお店に来るたび、UFOのことを尋ねたが、

やはりTさんは何も語ってくれない。




UFO…UFO…

私の頭には既にUFOのことしかなかった。







さらに10年の月日がながれた。




先日、ロシア中部に隕石が落下して、世界中で話題になったが、
隕石をUFOが撃墜したという映像がyou tubeなどの
動画サイトに取り上げられたのをご存じだろうか。

 
UFOらしき物体が隕石を破壊する衝撃映像を見た私は

完全にUFO熱が再燃し、

なんとかもう一度、TさんにUFOの話を聞きたいと思った。







しかし、キャバクラをやめた時にお客さんの番号は全て削除してしまったし

あれから10年も経っている…。

もはやTさんに連絡する術はない…。






諦めかけたその時


なんと、LINE上にTさんの名前があらわれたのだった。









今こそ、今こそあの話の続きを!真相を確かめる時が来たのだ!






もはや私の頭にはUFOのことしかなかった。















世間話などせずに単刀直入にUFOのことを聞きたい気持ちでいっぱいだったが

Tさんに怪しまれないよう、セクハラまがいのエロトークにも応じつつ、機が熟すのを待った。








二時間後―









































































































































































泣きたい


下らないことに2時間も費やした自分を

心から恥じた












# by manshukitsuko | 2013-04-29 18:11 | 未分類 | Trackback

大人への旅



私は、妹まゆみ、弟たかしの三人きょうだいだが

私以外のきょうだいは思春期によく荒れた。








妹は中学生の頃、夜によく家を飛び出しては、






「まゆみ~、どこにいるの~」
「まゆみ~」




という、自分を探す母や私の声を、









自分の家と裏の家の境目の壁に、ヤモリのようにへばりついて聞いていたらしい。







ある時もまた飛び出し、






夜遅くに子猫を抱きしめて玄関に戻ってきたこともあった。





子猫を抱きしめた妹は、憑き物が落ちたように優しい顔をしていたが







その後も、親に内緒で新聞奨学生の寮に入ろうと手紙を書いたり、結構滅茶苦茶なことをしていた。







派手な非行には走らなかったが、両親に反抗的な言動を繰り返し、

たびたび母を心配させた。

妹は、とにかく家が嫌いでたまらなかったようだった。








弟も、17で家から追い出されるまで、家出を繰り返した。






ある日、父親に怒られ、突発的に家を飛び出した弟は
翌日になっても戻らなかった。






弟がいなくなって2日目の深夜に、突然、電話が鳴った。







もしかしたら、弟は何かの事件に巻き込まれたのかもしれない

イヤな予感ばかり頭をよぎる。













ズーズ―弁の秋田の警察の方からだった。




弟は、埼玉から電車を乗り継ぎ、2日かけて秋田の大舘まで行ったらしい。



 
駅のベンチで野宿しているところを、パトロール中の警察官に職務質問され
身元確認の電話がかかってきたのだった。






結局その後、弟は、来た時と同じように、駅の構内で寝泊まりしながら

2日間かけて埼玉の実家に戻ってきた。








また、ある時は、

突然、大阪まで歩こうと思い立ち、


世田谷の友達の家から、1日かけて日吉まで歩き、
その後、3日かけて小田原まで歩いた。








しかし、限界だった。

4日間歩き続けた脚はパンパンに膨れあがった。



足を引きづりながら歩き続けたが、

大阪行きを断念した弟は、最寄りの駅までヒッチハイクすることにした。



















指をさして笑っていたのを見ても、不思議と何の感情も湧かなかった。








なぜなら、この時すでに脱水症状を起こしていて、

意識がもうろうとしていたからだ。






その後、運良く年配の女性に小田原の駅まで乗せてもらった弟は、

家へ帰ることにした。







4日間の道のりも、ロマンスカーではたったの2時間30分だった。








弟の家出も、妹の家出も、
大人になるための通過儀礼だったのだろう。







今では、弟は両親をとても大事にしているし、
妹も、遠くに嫁いだのに機会をみつけては両親に会いに行く。








一方

たいした反抗期もないまま大人になり、






今でも近くに住んでいるのに、

めったに親に会いに行かない私にとって、

弟と妹のことは少しうらやましい。





最近つらいことがあり、ふと実家をストリートビューで見てみた









そこには、仲良く庭いじりをする両親の姿があった。








ストリートビューに写り込んだ両親は

まるで、アリエッティのように、葉っぱの裏で精いっぱい生きる小人のように見えた。




私は、少しだけ泣いて、


そっとパソコンの電源を落とした。












# by manshukitsuko | 2013-03-12 19:50 | 未分類 | Trackback

ピンチはチャンス


当時大学4年生だった私は、Kプロで毎日漫画の背景を描く仕事に追われていた。


その頃K先生は週刊連載2本と月刊の連載を数本抱えていて、


先生が激務なのはもちろん、そのアシスタントも激務だった。




私は、その頃2度目の自動車教習所へ通っていて

(教習所は期限が1年なので、期限が切れたら払い込んだ教習代もパァ)

既に一度期限が切れて通い直している状態だったにもかかわらず、

またしても期限が迫っていた。



その上、大学では今のままでは単位が足らず、卒論も提出しなければならない。

留年の瀬戸際だったので授業を休むわけにはいかず、

朝まで仕事をして、風呂も入らずそのまま大学へ行くことも珍しくなかった。 







それだけでもキャパを越えていたが、その頃の私を一番悩ませていたのは、当時付き合っていた彼氏の存在だった。




彼にはちょこちょこ他の女の人の影があって、

付き合い始めの頃は、そういう事に腹も立ったけれど、

アシスタントの仕事が忙しくなるにつれて、そういうのが次第にどうでも良くなってきて、

やがて面倒くささに変わった。








しかも彼は、激情型のナルシストで喧嘩のたびに刃物を持ち出したり、ボコボコに殴るタイプの男だった。


何度か別れ話をしたが、いざ別れに話が及ぶと、一層ボコボコに殴られた。

駅のホームから突き落とされそうになったこともあった。




今であれば、その付き合いが常軌を逸していたことはわかるが


ドラゴンボールの悟空が大好きで、まともに男の人と付き合ったことのないおぼこ娘だった私は


「へぇー、これが男女交際ってやつか、刺激的だなぁ」


と、もの凄い勘違いを繰り広げていた。







しかし、今回は違った。

直感的に「あ、刺される」と思った私は









わき目もふらず逃げた










近くの公園に逃げ込み、

一つの結論にたどり着いた













この面倒から解放されるには、刺し違えるしかない








肉を切らせて骨を断つ

そう思った私は

彼氏のアパートへ向かい



そっとドアから覗くと








目に飛び込んできたのは、上半身裸で、

イッた目で自分の体を切りつけている、彼氏の姿だった。












再び、逃げた











逃げた











私は逃げた











その時、私のあたまの中で何かがはじけた。















彼は同じ大学で、同じ学部。

しかも学生数の少ない学部で顔を合わせないことは不可能に近い。


しかし、大学へ行かねば、このままでは卒業も危ぶまれる。






私は思いついた。














それは変装だった。



もう変装して、大学へ通うしかないと思った。



自分で切ったザンバラ髪に、遠視用の眼鏡をかけた。



安易な方法だと思ったが

講堂が広いこともあり、彼氏も友人も私だと気付かない。








こんなにうまくいくとは思ってもみなかった。










ショーウィンドに映る自分の姿を見て、







イケてる。と思った。




私は思いついた。




頭がおかしくなったフリをすれば、


より完璧に彼氏と縁が切れるのではないか…









敵をあざむくには、まず味方から




家族にも決してバレてはいけない





こうして私の猿芝居は始まった






真夏に「寒い寒い」と言って

変な重ね着をして、ひとり言を言い続けた。




そんなわたしの姿を見て

母も父も妹も「きつこの頭がおかしくなった」と信じた





彼氏から何度か電話があったが、

そのたびに、母は

「きつこは電話に出られる状態じゃない」と応対した。









私の猿芝居は、家の中だけじゃなく、



電車の中や







バスの中





とどまるところを知らず、どんどんエスカレートしていった。





この頃の私は、もう自分でこの奇行を止めることが出来なくなっていたのだ。







なぜなら、頭のおかしい人のフリをすることは、ものすごく気持ちが良かったからだ。






電車内や飲食店で、自分の両隣だけ席がガラあきになったり


すれ違う他人が、一瞬ぎょっした顔をして、サッと立ち去ることに陶酔していた。



もう、とにかく気持ちが良かった。









私がそのような姿になって、3カ月程たった頃、



父と母が私の奇行について言い争っていた。




父は、早く病院に連れて行け、と声を荒げていたが、

母は、そんな事が近所に知られたら…と世間体を気にしていた。







しかし、ただ一人、心配していなかったのが


弟である。









ある日、弟は家族の目の前で、

ピンセットに挟んだ5円玉をライターの炎で熱し始め
























熱々の五円玉を、私の手の甲にポトリと落とした。


































































私もつられて笑ってしまった














私の茶番劇は幕を閉じた。





結局、教習所は期限が切れ、大学の留年も決定した。





ただ、その彼氏とは完全に縁が切れたので良かったけれど





同時に、家族との縁も切れた。








# by manshukitsuko | 2013-01-31 09:49 | 未分類 | Trackback(1)


私には弟の他に妹がいるが

ごく仲の良い友人すら妹の存在を知らない。






妹と私は凹と凸のようなもので、

趣味も会話も何もかも合わない、顔も似ていない、妹は下ネタも言わない。

二人が合わさるとようやくバランスのとれた一人の人間が出来あがる。



幼いころはよく遊んだ。しかし、いつからか私と妹の関係はおかしなことになる。






さて、私は高校受験で失敗している






第一志望の高校には入れず、栃木のとある高校に入学したわけだが


それはその後、長いあいだ私の心に暗い影を落とす契機となった












埼玉の自宅から、秩父鉄道に乗り、電車を2回乗り換え、

駅から学校は遠いので学校の最寄駅で、置き自転車に乗り換え、

およそ2時間かけて通学した。



学校に着くころにはヘトヘトである。











遠いので部活にも入らず、栃木弁にも馴染めず、友人もおらず











ますます漫画が心の支えとなった。











そしてさらに
追い打ちをかける出来事が…




翌年、私が落ちた高校に妹があっさり合格して、通い始めたのだ






「今日はぁ、学校帰りにみんなで渋谷に行ったんだよぉ~」



東京のお洒落な女子高生になってゆく妹…












泣きたい…










涙で前が見えない









その時…






私は、白い物体を避けようとして、自転車のハンドルをきり損ねて






盛大にすっ転んだ







そして、

白く丸いものの正体は









子猫ちゃんでした。











私は思わず学校のボストンに入れて、そのまま家に持ち帰った






妹といっしょに洗面台で猫を洗った。






私は、子猫の後ろ脚をそっと湯に浸けた。

すると…

湯から逃げるように、上へ上へとノミが集まり

猫の顔面にノミがびっしりと…














あまりの衝撃に妹は完全に無言になっていた。





猫の体が湯に浸かれば浸かる程に、ノミが猫の顔面に集まり…
(あえて、絵は載せません。ご想像におまかせします)















私は洗った、全身に鳥肌を感じながら無心で洗った













猫を洗い終えてホッとしたのもつかの間




妹は、私が身につけていたロケットのペンダントを目ざとく見つけると







中身を見せろと言ってきたのだ

























































その日の夜のこと…
































































妹は当時の話題になると

「私…あの時の衝撃は忘れられない」

と未だにいう。よほど驚いたのだろう。






そして、妹と私は長い事ぎくしゃくした関係を築き


現在、私の人生から妹の存在は封印している。








# by manshukitsuko | 2012-11-06 15:56 | 未分類 | Trackback

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