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M先生ありがとう

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数年前、私はある漫画に登場するキャラクターにゾッコンだった


ジャニーズでもなく、韓流でもなく、はたまた身近にいる男性でもなく


私が胸をときめかせたのは現実には存在しない漫画のキャラクターだった。




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他者への共感が薄く、ひとりぼっち、孤独の典型みたいな主人公だったが、なんだかよくわからないけど可哀相で、直球ド真ん中のキャラクターだったのだ。



そして私はいつの間にか漫画の作者であるM先生に、キャラクターを半ば当然のように投影し、会ったこともないM先生に胸キュンしていたのだ。



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私はM先生のアシスタントに応募することにした。




M先生は数年に一度、ホームページ上でアシスタントを募集するらしい。

私はアシスタントが募集されるのを今か今かと待ち続けた。

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1年ほど経ったある日

私の日々のお務め、M先生のホームページをネットスト―キングしていた時のことだ






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M先生がアシスタントを募集したのである。





私は、震える手で、アシスタント希望の旨を書き連ねM先生にメールした。


募集要項にはアシスタント歴や漫画の掲載歴の有無、好きな映画について記すように記載されていた。


アシスタント歴は正直に書いたが、好きな映画は「ポールトーマスアンダーソンの作品とタランティーノの作品全て」とかカッコつけたことを書いた。


本当に一番好きな映画はシュワちゃんが妊娠する「ジュニア」というコメディ映画なのだが、それを書いたら採用されない気がしたからだ。




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数日後、M先生から採用を告げるメールが届いた







アシスタント当日

その日は小雨が降っていて4月にしてはかなり肌寒い日だった


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薄暗い階段を上り、マンションの扉の前に立った





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この扉の向こうにM先生がいるのだ…私は緊張のあまり意識が遠のき、今にもぶったおれそうだった。




私はドアを開けた…









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そこには漫画のキャラクターと全然違う姿をした男性が存在していた。



この時、私はものすごくガッカリした顔をしていたと思う。

私は落胆した表情をM先生に覚られないよう、淡々と自己紹介の挨拶をした。







M先生は裸足でつっ立っている私の足元を見て





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と言った







さらに、M先生はたたみかけるように、こんな質問をしてきた






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今日、危険日
一瞬、何の事かわからず、私がきょとんとしていると








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どうやらM先生は、外の雨の降り具合について質問しようとしたのだが

何故か口をついて出た言葉が「危険日」だったらしい。

その後、M先生とその日の天候について少し話をして、私は作業にとりかかった。











その一方、作業中のM先生は、女性の性交時における「潮吹き」の正体は「尿」であると、他のアシスタントに力説していた。
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アシスタントはクスクス笑いながらM先生の話に耳を傾けていたが、

M先生が 「女性の陰毛はボーボーの方が良い」 という持論を展開しはじめたあたりで



私の中のM先生像は、ガラガラと音をたて崩れ落ちた。







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M先生は何も悪くない。

もともと私が勝手に作り上げたM先生像が崩壊しただけなのだから。


M先生にとっては甚だ迷惑な話である。




その後私は、時おりM先生の職場にお世話になり
デジタル作業の大半を学んだ。




私はブログやイラストを描く時は、すべてデジタルなので
現在こうして作業出来るのは、M先生の教えの賜物なのである。







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そして私は今日も M先生の漫画を読む

以前のように主人公に胸キュンはしなくなったが

それはそれで別の趣があるのだ
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by manshukitsuko | 2012-08-20 22:31
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